今日は長い。TAKIZAWA-LOGはたまに長い。

私が敬愛するあのYAMAHAが開発した遠隔セッションプラットフォーム「SYNCROOM」
「会わずにスムーズなセッションが出来る」と、ネットで遊ぶミュージシャンの間では既に大きな話題となっている。
戯れすぎてもはやネットにペット扱いされている私としてはこれを利用しない手はなく、ここ最近は27日にご一緒する岡山たくとと共に色々いじくっていた。

最も大きな課題はやはり「遅延」であり、ひと昔前なら問題にあがりそうだった「音質」は既にしっかりクリアされていた。この時点で驚きだ。
遅延はネットの速度に左右されるというのは想像に難くなく、お互いにそこまで速いというネット環境ではなかったせいで実際少しそれに悩まされたが、遅延問題を大きく改善に結びつけてくれたのはオーディオインターフェースのバッファ設定だった。

初回セッションで悩まされていた遅延は、お互いのバッファサイズを最小にすることで気にならないレベルになった。時代はバッファ。バッファ世代。

そして、さすが音楽のスタンダードをいち早く築いていくYAMAHAと感じざるを得ない驚くべき機能として、このSYNCROOMはVSTプラグインとして動く。
つまりDAW上で鳴っている音を全てSYNCROOMを通してセッション相手に届けられるのだ。これによって同期演奏や、生で演奏するボーカルやギターの音色構築も全てDAW上で自由自在。
これは私のようなスタイルの音楽家には本当に有難い機能だ。

ZOOMも同時に稼動させれば映像で相手の様子を確認することが出来るし、実際にその組み合わせでリハを行った。
おかげで今回のライブ、しっかりリハーサルが出来たにも関わらず岡山氏に実際会うのは当日のみである。

考えてみれば、スタジオでのリハーサルは「音を出す」以外の時間の方が長い。
スタジオリハがある日の細かい工程はこうだ。
<自宅で機材準備・積み込み>→<移動>→<スタジオで荷下ろし・搬入・セッティング>→<音出し>→<片付け・搬出・積み込み>→<移動>→<自宅で荷下ろし>

リハーサルが4時間だったとして、少なくとも前後30分ずつはセッティング・片付けに費やす。
つまり、休憩をしょっ引いても実際に音を出すのは3時間だ。
移動に片道1時間かかるとして、自宅でのもろもろが1時間とすると、合計4時間は音出し以外に時間を使っていることになる。
片付け後にスタジオのロビーで談笑すれば、さらにその時間は加算される。

音出しに3時間・それ以外に4時間+α。考えればだいぶ非効率だ。
可能であればリハに費やす時間は音出しのみにして、あとの時間はのんびり「中田敦彦のYouTube大学」を見ていたいわけだ。

「スタジオで実際に面と向かって音を出す行為こそが音楽の神髄だ」という考えもあると思うし勿論それは理解できるが、自分のプロジェクトでは正直不要だ。
むしろ、ネットを使ってどれだけ効率的に活動が出来るのか、実験&提示していくのが使命とすら思う。

というわけで、近々その辺を何かしらで配信しようかと思うのでゆるりと待たれ。