散歩をする。
ほぼ毎日ジムには行っているが、それ以外ほとんどの時間は仕事・遊び問わず座って過ごしている。
座りっぱなしは心臓疾患のリスク増加とのデータもあり、これはいかんということで意識的に歩くことにした。

私が住んでいる丘の上はいつも穏やかで、今日のように晴れている日は特に穏やかさに磨きがかかっている。
景色も特段いつもと変わりはなく、群を抜いて穏やかだ。穏やかさに事欠かない。穏やかさオブザイヤー。全穏やかさが泣いた。

自然の中にポツネンと立っている塔。前のTAKIZAWA-LOGでも書いた「自然にお邪魔している」状態。
何の為に立っているのかは分からなかったが妙な魅力がある。有機と無機のコントラスト。
廃墟に魅せられる感覚に近いだろうか。こいつは現役だと思うが。

普段と変わらない姿を見せる自然とは裏腹に、人間は日々違っていて且つ滑稽だ。

少し歩を進め、あえて普段通らない道へ。
目の前の十字路で運送屋(白と青のとこ)のお兄さんが横切る。忙しそうに大きな荷物を台車で運んでいた。
偶然お兄さんが行く先と同じ方へ曲がると目の前は坂。

「坂だ」
そう思った瞬間、視線の先で台車が坂を下り始めている。お兄さんは…いない!
「台車動いとるよ…!?」
そう思った瞬間、「あああああああ!!」という叫び声と共にお兄さん全力疾走!台車は順調に加速!
目の前の坂はカーブしていたので、私の視界から台車→お兄さんの順にスッと消えていった。

ドンガラガッシャーンな数秒後も想像したが、無事にお兄さんfeat.台車として私の視界に戻って来た。荷物も無事そうだ。
そして、何も知らない配達先のご主人がヌっと出てきた。
お兄さんは息を切らして、髪は汗でびしょびしょ、かけていたメガネは桃屋のおじさんくらい落ちている。
「さぞ一生懸命運んで来てくれたのだろう…!」と何も知らないご主人は感動したに違いない。

要するにお兄さんはチャイムを鳴らしてご主人を待っている間、斜めった道に台車を停めてしまったというわけだ。坂道駐車ではサイドブレーキを忘れずに(台車に付いてるのか知らないけど)。

散歩習慣化計画初日からスゴイ光景を目の当たりにした。
人間は日々違っていて滑稽だ。

春は現在リハーサル中です。